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953話

美女とは、常に男を惑わす最大の厄介者である。

義兄の厳しい警告を受け、マー・スーは隋月月に対して一切の不埒な考えを抱く勇気などなかった。

しかし、ジランに対してならそのような思いを持つことは可能だった。

ジランは標準的な美女というわけではなく、ただ体つきが豊満で、瞳が深みを持っているだけだが、マー・スーだって何かのイケメンというわけではないだろう?

マー・スーは美女の魅力に心を奪われ、見逃してはならない異常な状況に気づかなかった。

もしジランという美女に気に入られようという思いでいっぱいでなければ、マー・スーはとっくに前方からやってくる車がほとんどなく、後ろにも車が続いていないことに気づいてい...