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942話

王大毛からの電話だった。

王大毛は元々その名前ではなかったが、左の頬にピーナッツほどの大きさの黒いほくろがあり、そこから黒い毛が生え揃っていたため、周りから「大毛(ダーマオ)」と呼ばれるようになった。

いつしか、彼の本名は忘れ去られてしまった。

王大毛という名前はあまり上品ではなく、体格も熊のように屈強だったが、この男は実は女々しかった。

幼い頃からすでに「王大毛」と呼ばれていなかったら、きっと「王娘炮(王おかま)」と呼ばれていただろう。

一人の人間が二つもの的確なあだ名を持つとは、まさに珍しい存在だった。

さらに王大毛の変わったところは、老闵に負けないほどのギャンブラーであるだけ...