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895話

李南方は八百の帝王谷に眠る帝王が誰なのか断定できなかったが、すでに長年ここに住んでいる薛星寒は、その正体をよく知っていた。

歴史上名高い暴君、煬帝こと楊広である。

楊広という人物について、多くの人の第一印象は「暴君」という二文字だろう。

以前、薛星寒が八百に来る前も同じ考えだった。結局、歴史書にもそう書かれているのだから。

諡号に「煬」の字がつく楊広は、諡号に「桀」の字がつく中華奴隷制度最初の国家君主である夏の桀王、諡号に「紂」の字がつく商の紂王とともに、中華の歴史上における三大暴君と称されている。

つまり楊広が暴君であることは民衆も認めており、さらに中華歴代の為政者たちが反面教師と...