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85話

李人渣から西洋料理を食べに行こうと自ら提案されたからには、夢から彼を追い出すことだけを考えている白灵儿としては、財布の痛みを我慢して渋々同意するしかなかった。そして前もって個室を予約しておいた。

李南方を連れて西洋料理店に入ると、行き交う男性たちがみな紳士然とした装いをしているのを見て、白灵儿は後ろを振り返り、密かに頷いた。まあ許容範囲だ。この人渣はあまり良い服を着ていないとはいえ、少なくとも清潔感はある。私の恥にはならないだろう。

今どき、青山市中どこにでも西洋料理店はある。

だが格式と値段で言えば、燕山路にあるこの「シンデレラ」という西洋料理店の右に出るものはない。岳梓童が言っていた通...