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849話

李南方はこういう場面が大嫌いだった。

「正道」の連中が着飾った禽獣のように、偽善的な笑みを浮かべ、心にもない言葉を並べ立て、まるで家族のように親しげに振る舞う。

面白いことがあるだろうか?

いわゆる高級晩餐会など、農作業を終えた田舎の婆さんたちが、夕方に団扇を手に玄関先で涼みながら、あそこの家がどうの、こっちの家がこうのと噂話をするほうがよっぽどましだ。

確かにおしゃべりの嫌いはあるが、少なくとも本音で話しているだろう?

さらに村の東の若い未亡人が、西の独身おやじに手込めにされたなんて話を神妙な顔でこっそり話し出したら、もっと面白くなる。

李南方はそういう環境が好きで、今のような場...