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847話

時には、見るものが多ければ多いほど、面倒が増すものだ。

この給仕を例に挙げれば、甲板の下から誰かが突然、黒コウモリのように甲板へと飛び上がるのを見たとしても、声を上げるべきではない。

見なかったふりをして、自分の用事を済ませ、それからフィー卿に報告するのが正しい対応だろう。

結局、こんな方法で船に乗り込む者は、明らかに自分の存在を知られたくないのだから。

そして、こんな動きで船に乗れる人間というのは、一般人が手を出せないような相手なのだ。

しかし彼はそうせず、驚いて軒轄王に、どうやって乗ってきたのかと問いただした。

軒轄王、目を見開く!

この給仕は、まるで魔法映画に出てくる残忍な悪魔の目を見た...