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808話

どこであれ、防備がどんなに厳重だとしても、必ず抜け穴は存在するものだ。

紅豆刑務所の生活ゴミ処理場は、まさにその唯一の抜け穴だった。

かつてここに一時滞在していた謝老たちは、この点に気づいていた。

だが、こうした老獪な連中は誰一人としてこの弱点を口にしなかった。

一つには、彼らが自分のための逃げ道を確保しておきたかったからだ。万が一この場所に収監されることがあっても、脱獄できるようにと。

もう一つは、この抜け穴が彼らのレベルの人間にとってのみ「抜け穴」と言えるものだったからだ。

世の中に、謝情傷のような人間が何人いるというのか?

だからこの抜け穴は、ある意味では抜け穴とは言えない。十分...