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736話

人間は生まれながらにして弱者に同情する本性を持っている。

楊逍が騒ぎ出す前は、新任副院長に新薬を売り込みに来た程教授が滔々と話した後でも、呂先生以外の医療スタッフは特に違和感を覚えていなかった。

実際、彼らの灰色収入の大部分はこういった薬の売人たちからもたらされていたのだ。

しかし程教授が、閔柔が投げ捨てたカプセル数粒の代金も請求すると言い出した時、皆の視線が変わった。文質彬彬として洋行帰りの博士の風格を漂わせるこの中年男性に反感を抱き始めたのだ。

新薬が青山中心病院に採用されれば、どれほどの利益がもたらされるか、足の指で数えても分かるはずだ。たかが数粒の薬にまでこだわる必要があるのだ...