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66話

仮面の悪魔は去らず、洗面所にいた。おそらく入浴中だったのだろう。

だが、なぜ岳梓童の服を持って行ったのか。まさか、タオル代わりにするつもりなのか?

恐怖と好奇心が入り混じる中、洗面所のドアが開き、仮面の男が濡れた衣服を手に持って出てきた。

岳梓童の目は驚愕で見開かれた。仮面の男は、なんと彼女のプラダの女性服を着て、黒いストッキングまで履いていた。長い黒髪が肩に垂れ、足元には白いハイヒールを履いていた。

岳梓童が履いていたハイヒールはソファの前にあったままだ。この男が履いているハイヒールや被っているウィッグは、彼が持ち込んだものだったのだ。

これはどういうことだ?

なぜ私の服を着ているの?

岳梓...