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627話

美酒は美女と同じで、鑑賞する人がいて初めて価値がある。

そうでなければ、存在する意味を失ってしまう。

どんなに美しい女性でも、常に高嶺の花で、誰も鑑賞せず、求めようともしなければ、歳月という屠刀に一刀一刀と老いさせられるだけ。それはあまりにも悲しいことだ。

同様に、美酒がどれほど高価であっても、人に飲まれるためのもの。そうでなければ何の用もない。

李南方が言ったこの道理を、老金はよく理解していた。

ただ、どう見ても、李先生がこんな美酒を飲むに値する人物には見えなかった。

しかし李南方の次の言葉で、老金は彼を真剣に見直さざるを得なくなった。「この六十年の貯蔵酒、もし値段を付けて売るとしたら、ある...