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610話

李南方は間違いなく林康白の人生における厄災だった。

彼が李南方と初めて出会った時から、これまで経験したことのない重大な打撃を受けていた。

三回。

彼は李南方と合わせて三回しか会っていない。

だがその三回とも、普段なら想像もできないような「不当な待遇」を受け、一度ごとにひどくなっていった。

特に今回は、彼が意地を張って「殺せるものなら殺してみろ」という強がりを吐いた後、李南方から与えられた打撃のレベルも相応に上がり、彼の首を足で踏みつけ、目には微かな赤みを帯びた邪気が宿り、全身から人の心を震わせるような殺気が爆発していた。

これまで林大少を打ちのめす時、李南方はここまでの殺意を見せたことはなかっ...