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594話

今日は珍しい良い天気だった。空に白い雲が浮かび、空気は清々しく、おそらく昨日の夕方に降った小雨のおかげだろう。

いつものように、外科第三室の小馬は軽快な足取りで、朝の七時半に救急部の建物の階段を時間通りに踏みしめていた。

カバンの中で携帯が鳴り、取り出して見ると彼氏からの電話だった。

はぁ、彼氏はもう大人なのに、まだ子供のように甘えん坊で、わざわざ電話をかけてきて、彼女が恋しいなんて言ってくる。

「朝起きた時にも一緒にイチャイチャしたばかりじゃない。もう恋しくなったの?もう、嫌だなぁ。話すの終わるね、タイムカード押さなきゃ。バイバイ。チュッ、ひとつ」

頬を赤らめた小馬は携帯の画面にキ...