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571話

「自分で老人家だのなんだの言っておきながら、他人に老人家と呼ばれると気に入らない人もいるものだ」

もし他の誰かだったら、李南方はとっくに一発お見舞いして、「偽物にはこうだ」と怒鳴っていただろう。

だがこの人物は他の誰でもない、十数年前から名を馳せた秦玉関その人だ。つい先日も、荊紅命と共謀して、黒龍の魔性に取り憑かれていた李南方をボロボロになるまで叩きのめしたばかりだ。

あの時目覚めた時の全身の痛みを思い出すと、李南方の心は震え、背筋はさらに低く曲がり、顔の笑みもより一層、より一層へりくだったものになった。

秦老七の前で孫のように振る舞うのは、恥ずかしいことではない。

しかしそれでも、...