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523話

深秋の季節。

青山にはまだ星が瞬く時刻、朝の四時のゴールデントライアングルはすでに夜明けを迎えていた。

これまで一度もスカートスーツを着たことのない上島桜花は、今も賀蘭小新から譲り受けたプラダの服に身を包み、黒いストッキングに細いヒールを履いたまま、ベッドの縁に腰掛け、窓の外の東の空をぼんやりと見つめていた。

少しの眠気も感じなかった。

佐藤信者に残された全身の傷跡をもう感じないのと同じように、心臓は速く鼓動し、頭の中では多くの声が響き、目の前には様々な光景が次々と浮かんでは消えていった。

あるときは、佐藤信者が棘のついた鞭を手に、不気味な笑みを浮かべながら片足を彼女の高く盛り上...