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516話

「十時きっかり、取引大会で全員が注目していた一番目の商品が、ついに登場した。

黄秘書が左手を上げると、二人の兵士が大きな箱を担いで舞台裏から現れた。

日よけテントの中から、すぐに声が上がった。

「チッ、またこれっぽっちか?」

「今年も五十キロだけか?」

「はぁ、毎年この程度の量じゃ、どうやって分配すればいいんだ」

「もっと生産したって構わないだろ、金なら払うんだから」

議論が飛び交う中、佐藤を含む十数名が日よけテントから出てきた。

南区の一メートルほどの高さの展示台の下には、数十脚の白い籐椅子が並べられていた。これはいわゆる麻薬王たちのための特別席だった。

南区の一般商品が出た時には、これらの...