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510話

ある人々は、たとえ群衆の中に立っていても、一目で目を引くものだ。

名前もそうである。

「葉小刀(イエ・シャオダオ)」というこの名前は、現代都市の良い青年が背負えるようなものではない。数百、数千の悪党を前にしても毅然として恐れず、四方に敵を薙ぎ倒す猛者だけが、このような威武堂々とした名前を名乗ることができるのだろう。

「シャオ・ドゥ、警備部の秦部長に電話して、葉小刀をここに来させるように伝えて」

数十名の新入社員の名前の中から葉小刀の名前を見つけた岳梓童は、これが彼女の探している人物だと確信した。

シャオ・ドゥは承諾の声を上げ、すぐに秦部長に電話をかけた。「秦部長、こんにちは。社長室のシャ...