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472話

青山から京華までは高速鉄道に乗れば、わずか二時間の道のりだ。

花夜神は携帯で調べてみたが、零時前の切符はすべて売り切れていた。

零時以降の列車など、彼女の選択肢にはなかった。

今はまだ夜の八時、零時までは丸四時間もある。

四時間あれば、自分で運転して京華に辿り着くには十分な時間だった。

花夜神が自分で車を運転する機会は少なく、スピードを出す場面はさらに稀だったが、それは彼女の運転技術が劣っているという意味ではなかった。

実際、器用な人ほど機械感覚が優れ、反応速度も速い。普通のカーマニアなら四時間かかるような道のりを三時間以内で走破するのは、花夜神にとってそれほど難しいことではなかった。

もちろ...