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470話

「他の男なら美女からの夕食の誘いに早めに到着するものだ。

だが李南方はそうではない。

男が女の前で威厳を見せなければ、それは果たして男と言えるのだろうか?

約束の時間は夜の8時。だから早くても8時10分に到着してこそ、他とは違う存在感を示せるというものだ。

8時10分、李南方は片手でハンドルを握り、口笛を吹きながら、山道の右側に広がる景色を楽しみつつ、一つのカーブに差し掛かった。

このほぼ80度の急カーブを曲がれば、なだらかな下り坂が続き、そこから2キロ先に良友山荘がある。

道路脇の案内標識にはっきりと書かれているので、レストランを見つけられないという心配はない。

ピッピッ!

カーブの向こうか...