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442話

李南方の右足を挟んだ罠は、虎の後ろ足を挟み切るような強力なものではなく、単なるネズミ捕りのようなものだった。人間にとっては、さほど危険なものではない。

それどころか、大きく口を開けて人の足を待ち構えていたその罠には、布が巻かれていた。李南方が罠にかかっても足を傷つけないよう、最大限に彼を守るための配慮だった——なんて善人なのだろう、今の世の中、こんな人はますます少なくなっている。

李南方が黙々と足を上げ、罠を外して戸口の後ろに投げ捨て、片足を引きずりながら洗面台に向かうのを見て、岳梓童は胸がドキドキして、思わず可愛らしい声で叫んだ。「ちょっと、水で顔を洗わないで!お湯が熱いわよ!」

今回...