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411話

膝が手すりにぶつかった痛みに、新姉は鈍い鼻音を漏らしただけだった。あんなことをしている時に抑えきれない悦びの声も、梓童を目覚めさせることはないだろう。

ゆっくりと南方の部屋のドアを開けた賀蘭小新は、すぐには入らず、入り口に立ったまま振り返って岳梓童の寝室を見た。しばらく待っても何の物音もしなかったため、そっとドアを閉め、つま先立ちで猫のように部屋に忍び込んだ。

窓から差し込む星明かりで、ベッドに横たわる人影がぼんやりと見えた。

言うまでもなく、それは李南方に違いない。

この男は大の字になって寝ているが、まるで死んだ犬のように微動だにしない。新姉の全身を駆け巡る血の流れはさらに速くなり、...