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300話

李南方はこれまで人を直接的に打ち負かすようなことはしたことがなかった。特に岳梓童のような高慢な女性に対しては。

「何が高慢だ、この馬鹿女が?」

「お前は見た目がいいことと、足が長いこと、胸が大きいこと、ビジネスで少しばかり才覚があること以外に、何か誇れるものがあるのか?」

「人前では上品ぶって、裏では腹の中は汚い打算ばかり。」

「まあ確かに、少しは可愛げのある正義感もあるな。だからメキシコであんな行動に出たんだろう。でも頭の中身はたいしたことない。頭に血が上ったら英雄気取りか。」

重要なのは、もし李南方が間一髪で救わなければ、彼女は国を売った裏切り者として皆から唾を吐かれていたという...