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290話

「これは私が物心ついてから初めて、人に体を洗ってもらった」

入浴を終えた隋月月は、浴槽の前に立ち、壁の鏡に映る美しい少女の姿を見つめながら、ゆっくりと両腕を上げた。「お願い…服を着せてくれない?」

風呂を洗ってあげたのだから、服を着せてあげるくらい大したことではない。

それに李南方は実のところ、美女に服を着せるのが好きだった。彼は黒いレースのショーツを手に取り、「足を上げて」と言った。

隋月月は体を後ろに傾け、李南方の胸に寄りかかりながら、視線は終始壁の鏡に向けたまま、手を後ろに回して彼の首に腕を巻き付け、右足を上げた。

「今、急に思ったの。私は女王なん...