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2390話

沈軽舞は首を傾げて見やると、黝黒い顔色で質朴な雰囲気を漂わせ、黒縁の眼鏡をかけた男性が、感慨に満ちた表情で自分を見つめ、頭を振りながら溜息をついているのが目に入った。

どういう病気なのか分からない。

「この人は誰?どこかで見た顔な気がするけど」

沈軽舞が少し戸惑っていると、首を傾げたのが誰が自分に冷笑を浴びせたのかを確認するためだったことを忘れてしまった。

ふと、ある嫌な男の影が沈軽舞の記憶の奥底からゆっくりと浮かび上がってきた。

しかしすぐに否定した。

あのクズ男は確かに憎たらしかったが、女性に好かれるような色白のイケメンだった。

特に贅沢な日々を過ごしてきた者特有の、ある種の「クズオーラ」...