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239話

王さんは素早く到着した。女将がちょうど焼き肉をテーブルに置いたところだった。

香ばしい串焼きと黄金色のビールを見るなり、王さんは思わず涎を垂らし、大きな両手をこすり合わせながら「また李中尉に奢ってもらって、本当に申し訳ない」と言いつつ、席に着くなり一本の串を手に取り、口に運んであっという間に平らげた。

李南方は食い意地の張った人間を見ると、いつも好感を抱いた。そういう人こそ食べ物に対して真の愛情を持つ者であり、本物の食通は決して食べ物を無駄にしないものだからだ。

ただ、なぜ王さんはこうも憔悴した様子で、あれほど誇りにしていた警備員の制服も着ていないのだろう?

これは彼らしくない。彼はあ...