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2248話

「爺さんが言っていた。この軒轅鐘があれば魔頭を操ることができる。それだけじゃない、岳家が永遠に存続するための鍵でもある。これさえ手に入れれば、必ず再起の機会を掴める!」

簡素な青山拘留所の牢獄の中。

岳清科が意識を取り戻した時、口から発した最初の言葉がこれだった。

だが目を開けると、彼が心の支えにしていたものが消えていることに気づき、その瞬間、正気を完全に失ったような様相を呈した。

彼は鉄格子の扉に飛びつき、手を伸ばして、爪を立て唸り声をあげながら、岳梓童に軒轅鐘を返せと激しく叫んだ。

このような従兄の姿を目の当たりにして、岳梓童の心に残っていた親族への幻想のかけらも、完全に砕け散った。

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