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2209話

李南方は思った。全中華のネットワークを破壊できる自爆プログラム。

現実世界で例えるなら、それは核兵器だ。しかも一発で国家全体を消し去るような核兵器。

こんなものを黒龍の腹の中に投げ込んで、粉々に爆破できないなら、世界中の注目と恐怖に申し訳が立たない。

結果はどうだったか。

自爆プログラムを表すタイマー爆弾は予定通り爆発した。

しかし音一つ聞こえず、ただ黒龍がゲップをして黒い煙を吐き出しただけ。

これじゃあ誰に文句を言えばいいんだ?

実は黒龍の方が李南方よりも驚愕していた。

あの赤く光るものが自分の命を脅かすと予感したからこそ、慌てて飛びかかってきたのだ。

そして李南方がそれを...