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2156話

李南方の感覚は決して間違ったことがなかった。

今、ロビーには無数の人々がいて、ほとんど全員が彼を見つめているにもかかわらず。

それでも彼は、それらの視線の中から、異質な感情を含んだ一つの視線を見分けることができた。

かつて一度だけ顔を合わせた東洋の女、山口苦愛。

その女が彼の方を見る目には、悲哀と物悲しさが満ちていた。まるで、愛に深く傷ついた女が、新たな希望を与えてくれる男性を見つけたかのように、李南方を見つめていた。

これには李社長も少々たじろいでしまう。

俺がいつからそんな魅力的になったんだ？

たった一度の登場で、女性をここまで惚れさ...