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2091話

東漢末年、群雄並び起つ。

乱世の中、曹操は天子を擁して諸侯に号令し、孫呉・蜀劉と天下を三分し、まさに一代の梟雄と称するに相応しかった。

後世の曹操に関する物語の中で最も広く知られているのが「酒を煮て英雄を論ず」である。

『三国演義』の記述によれば、曹操と劉備は亭で酒を酌み交わし肉串を楽しんでいた。

ちょうどその時、大雨が降り、稲妻が光り雷鳴が轟き、まるで天空に長龍が現れ雲を翻すかのようであった。

その時、曹操は突然の思いつきから、

自分を指さし、次に劉備を指さして、声高らかに言った。「天下の英雄は、ただ備と操のみ」と。

この言葉が終わるや否や、空に雷が鳴り響き、劉備は驚いて手にしていた鉄...