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2074話

長老の身のこなしが一体どれほど優れているのか、李南方は今日まざまざと思い知った。

普通の人間が天井に張り付くなんてどうやって可能なんだ?

烈焰谷の連中は化け物だ!

彼は心の中で毒づいた。自分には長老のように隠れる術がないのだ。

背後の通路で遺体保管庫がまた誰かに開けられる音が聞こえ、彼は歯を食いしばりながら素早く壁際の檻の山へと駆け寄った。

「兄弟、悪いな」

李南方は檻の中の黒いチンパンジーに一言謝ると、檻の扉を開けて中に潜り込み、隅に身を縮めた。そのチンパンジーで自分の姿を完全に隠す形だ。

しまった、扉を閉め忘れた。

手を伸ばし...