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1976話

麦青の李南方に対する認識は、実際のところ数日前の夜にとどまっていた。

それは李南方が明珠に来た初日のこと。

正確な時間を言うなら、3月1日だった。

小吃街の屋台で、二人は初めて接触した。

二度目の出会いは、3月2日の未明のことだった。

李南方は思い立って、善行を一つ—麦青に急場をしのぐための二十万元を送金した。

その善意が、こんなに早く報われるとは思いもよらなかった。

今日、麦青は自分の名誉を犠牲にしてまで、彼李社長のために偽証をしてくれたのだ。

あの送金情報の時間のずれは、決して李南方の時間軸が狂っていたわけではなかった。

麦お嬢さんの賢い頭脳と高度な画像編集技術で、日付を改ざんした送金記録...