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1903話

王世充、隋朝の大将。

生年不詳、没年は西暦621年。

開皇年間に戦功を立て、昇進は早かった。

大業年間、つまり隋の煬帝楊広の治世になると、さらに地位を上げ、楊広から絶大な信頼を得るようになった。

かつて楊広が江都で窮地に陥った際には、兵を率いて救出に向かったこともある。

だが、楊広の死後、この男は落ち着きを失い始めた。

天下大乱の中、誰もが皇帝の座を狙っていた。

加えて、王世充は実力者だった。瓦岗寨の宿敵である李密を打ち破り、程咬金や秦瓊といった英雄たちを全て自分の配下に引き入れたのだ。

この功績があれば、帝を称する理由は十分にあった。

そして、長年の準備の末、王世充は当時の隋煬帝の後継者であ...