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1891話

月の光が乏しい闇夜、主のない荒れ果てた墓の上が、突然揺れ始めた。

誰がこの光景を目にしても、言い表せない緊張感に襲われるだろう。

臆病な者なら、その場で肝を冷やしてしまうことも十分あり得る。

先ほど沈軽舞が突然現れ、王老漢の長男を驚かせて逃げ去らせた。

楊逍は沈軽舞と一言交わした後、大長老の側に戻り、「白虎銜屍」の説明を聞いていた。

その間、誰も王老漢に注意を払っていなかった。

老漢は自分の息子の弱気を罵り、まだ嫁の腹の中にいる孫のことを心配し、さらに老神仙一家に墓掘りを手伝わせるのは申し訳ないと思った。

そこで歯を食いしばり、地面に落ちた鍬を担ぎ上げ、自らその孤独な墓に歩み寄った。

この...