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189話

これは若く見える女性だった。真っ赤な花嫁衣装を身にまとい、頭には鳳冠を戴き、両手を腹の前で合わせ、瞳を微かに閉じていた。まるで眠っているかのようだった。

美しく、古典的な雰囲気を漂わせる女性、あるいは古代の女性の遺体と言うべきか。肌は灰白いながらも滑らかで、生きている人間が持つはずの弾力や生気が一切ない。これが死体でなくて何だろう?

李南方が不思議に思ったのは、この女性の遺体がこのような湿気の多い環境にありながら、腐敗していないことだった。死体特有の臭気もなく、死斑すらない。別の場所に置かれていれば、ただ眠っている美女にしか見えないだろう。

年齢は三十歳前後、女性の人生で最も美しい時期だ...