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187話

深い溝の底では燐光が浮かんでいたが、これは別に珍しいことではなく、李南方を怖がらせるほどのものではない。彼が十四歳の時、強盗の巣窟で二人の死体と一緒に寝たことがあった。あの時は怖くて一晩中泣き通しだった。

しかし、そういう経験を何度も重ねると、死体を枕にして眠れるようにもなる。

下の突き出た石に足を掛けながら、李南方は躊躇した。

突然、何か幽霊に背中を押されているような気がした。なぜこんな所に来たのか、わざわざ下りて確かめる必要があるのか。無意識に振り返り、周囲を見回した。

空には満月が銀盤のように輝き、水銀のような月光が地面に降り注いで、昼間のように明るかった。草一本一本まではっきり見えるほ...