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1703話

北疆、疏勒古城

三十年もの間変わらぬ気候環境に、この地の住民たちは地下での生活に順応していた。

だが、ほとんどの人々は、毎晩の深夜と早朝の二回、合計六時間という地下から這い出て新鮮な空気を吸う機会を決して手放そうとはしなかった。

門番として働く古瑤は、疏勒古城の誰よりも長く新鮮な空気を吸っていた。

なぜなら彼はいつも最初に地下から出て、最後に地上への水門を閉める役目を担っていたからだ。

三十年の間に、古瑤は数え切れないほどの人々の往来を見てきたが、ただ一人、彼の心に深い印象を残した方がいた。

その人物こそ、金三角から来たという李社長だった。

李社長をもてなして以来、彼の生活は一変し...