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1701話

「もし世界で一番不誠実な人物を選ぶコンテストがあったら、李南方はきっと栄冠を獲得するだろう。

先ほどまで砂漠のあの幸運児に関わるつもりはないと言い、あの子が敵意なく撃ってきた銃弾に報復しないと約束し、背を向けて立ち去ったはずだった。

ところが十数歩も歩いたあと、まるで狸のように小さな円を描くように方向を変え、木の梢に登り、幸運児が彼を探している時に、天から降って来て一蹴りで相手が持ち上げようとした銃口を弾き飛ばした。

李社長は卑怯だ。

約束を守らない!

もちろん、ここには二人しかいない。

李南方が自分の悪口を言うはずがない。

そして幸運児も李南方の不誠実さを責める余裕などない。

幸運...