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1698話

「杨逍に要求を出す資格があるかって?」

その答えは明らかに「ある」だ。彼は絶対に荊紅命に小さな要求を出す資格がある。

理由は単純だ。

腕前が優れ、思いのままに行動する轩辕王は、龍騰訓練基地の核心地域に入った後も、大量殺戮を行わず、ここに取り返しのつかない損害を与えなかった。これだけでも荊紅命に十分な面子を立てたことになる。

面子を立てたのだから、小さな要求を出すことに何の問題があろうか。

ただ、轩辕王の要求はやや奇妙だった。

「あなたはそれで何をするつもり?」

沈軽舞が荊紅命の代わりにその質問を投げかけた。

杨逍の顔に浮かぶ笑みはより一層深まり、まるで新しいおもちゃを見つけた子供のようだった。...