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1695話

「偽善者!」

長い上着が窓を完全に覆い、沈軽舞はもう自分が一番見たいものが見えなくなってしまった。思わず口を尖らせて一言吐き捨てた。

この世に女性に盗み見られるのを嫌がる男なんているのだろうか?

偽善だ、まさに偽善そのものだ。

わたくし沈大小姐が密かにあなたの着替えを見たいと思うのは、あなたが前世で積んだ徳なのよ。なぜそれがわからないの?

沈軽舞は心の中で楊逍の先祖代々に罵詈雑言を浴びせていたが、パタンという扉の開く音で、その怒りの思いはすべて吹き飛んだ。急いで振り向く。

カッコいい!

もう、絶対的にカッコいい!

どんなに不細工な...