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156話

コンサート開演直前、李南方は体育館の裏手にある小さな路地で、女性に「ダフ屋チケット」を必死に売りつけようとしていた。挙句の果てに剣を抜いて助けまでしたのに、チケットは売れず、頭がおかしいと思われただけだった。

骨折り損のこの行為に、李南方は自分がバカだったと痛感した。今後女性を見かけたら、彼女の義侠心への冷淡さを罰するために、きっとヤってやろうと心に誓った。

だが展妃が登場した途端、李先生の心の中の憤りは煙のように消え去り、顔まで赤くなってしまった。

一体どれほど愚かであれば、展妃のコンサートのダフ屋チケットを持って彼女本人に売りつけようとし、厚顔無恥にも自分は彼女の熱狂的ファンだと...