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1552話

何事においても、最も移ろいやすいのは原子や素粒子ではなく、人の心だということを言わざるを得ない。

華やかな衣装に身を包み、まるで花に舞う蝶のように庭中を飄々と歩き回る五叔母の姿を見て、段寧は感慨深く、そんな言葉が胸に浮かんだ。

たった一週間前、大理段氏が極秘軍事情報漏洩の疑いで、軍情処・国安・最高警備局などの強力部門が合同で結成した調査チームの訪問を受けた時、段家の者たちは皆一様に心中恐怖に震えていた——段老でさえ、李南方が半島北上で命懸けのノートを取り戻すと決めた後、「これからは大理段氏は再び韜光養晦の道を歩む」と、老いさらばえた声で言ったのだ。

その言葉がまだ段寧の耳に残っているとい...