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1545話

空を飛んでいるような感覚。

それは既視感のある感覚だった。

沈雲在はたった一度だけ経験したが、骨身に刻まれ、生涯忘れることのできないものだった。

彼女は昼間や人前でこの感覚を思い返す勇気など持ち合わせていなかった。

なぜなら、彼女にとってあまりにも侮辱的で、邪悪で、破壊的でありながら、どうしても抗えない快楽の感覚を思い出すたびに、心も体も思わず震え、頬は紅潮し、体のある部分がたちまち強烈な欲求に火がつき、結局は梅雨のように湿り気を帯びてしまうからだ。

沈雲在ははっきり分かっていた。こうした感覚を一度味わうごとに、段儲皇との愛に対する大いなる冒涜であり、自ら堕落を選んだ証だということを。

だから...