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1534話

「あなたが持ち出して欲しいって言った鉄の札?」

楊逍が要求したものを聞いて、段零星は呆然とした。

もし楊逍が鉄の札に言及しなければ、彼女は蔵龍山の七号室からそんな鉄の札を持ち出したことなど、すっかり忘れていたところだった。

この鉄の札に何の価値があるというのだろう。ただの重たい札に過ぎないじゃないか。表面には篆書で「畜生」と書かれ、裏面には肩に花鍬を担ぎ、手に花籠を提げた古代の女性が彫られているだけ。

ああ、それに三足の香炉もあって、そこには三本の線香が立てられ、香炉には何やら複雑な模様が刻まれている。

ただの鉄の札なのに、楊逍がわざわざ欲しがるほどの価...