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1453話

東方が白み始めると、月は次第に淡くなっていった。

真っ赤な太陽が東の空から顔を出し、朝焼けが空の半分を染め上げる頃には、月はすっかり姿を消していた。

朝焼けが赤々と輝いているということは、今日は雨が降るかもしれないという兆し。遠出は控えた方がいいだろう。

段家の人々も遠出する気分ではなく、皆リビングの椅子に静かに腰掛け、窓の外を眺めながら思い思いのことを考えていた。

かすかないびきが聞こえてきた。

誰かがそっと見やると、李南方がいつの間にかテーブルに突っ伏して眠っていることに気づいた。

「ちっ、こいつはまだ眠る余裕があるのか。まったく他人事だな」...