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1413話

「王陽、大丈夫か?」

門の外から宗剛の焦りを帯びた声が聞こえてきた。

宗剛は岳家の屋敷の執事頭に過ぎず、家主一人だけに仕えている。

普段は夜になるとこちらには居ない。やはり岳梓童は若くて美しい娘だし、彼のような半分老人のような男が夜にここに居るのは確かに都合が良くない。だから昼間だけ勤めている。

朝晩の岳梓童の世話をする任務は、王陽というボディガード兼生活秘書に任されている。

ただし、岳家に何か大きな出来事がある時は、宗剛も夜に残って、いつでも指示を待っている。

岳梓童の冥婚や結婚式の夜のような時だ。

特に今夜は。

十数日前、岳臨...