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1407話

李南方は間違えた部屋に入ったわけではなかった。

たとえ間違えた部屋だったとしても、中から聞こえる声で花夜神がそこにいることを確信できただろう。

大婚式を挙げる前から、李南方は花夜神と何度もベッドを共にしていた。

誰が自分の愛妻が前戯の時に漏らす、あの色っぽい吐息を聞き分けられないだろうか?

だが問題は、夜神姉さんをそんな声を出させられる人間は、一人しかいないはずだということだ。

李南方だけだ。

今、誰かが彼の代わりにそれをしている。

ふん。

お疲れ様の謝礼でも払ってやろうか?

李南方はそう考えながら、ゆっくりとドアを押し開...