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1372話

彼女の腰には、銃があった。

犯罪容疑者を見ると銃を取り出したくなるのは、刑事出身者なら誰もが持つ職業病だ。

李南方は彼女の右手を見て、心中で怒りが湧いた。

今や彼は白霊児の頭の中身が脳みそではないと強く疑っていた。

何であれ、脳みそではないのだ。

もし脳みそがあるなら、岳子童が明らかに嘘をついているときに、彼女が深く愛する彼に向かって銃を取り出す動作などするはずがない。

李という人でなしは女性を理解していなかった。

特に恋に落ちている女性を。

恋に落ちた女性の知能指数は、ゼロだ。

時には、マイナスにさえなる。

「白警官、絶対に冷静にね。えっと、その、話し合いましょうよ」

白霊児が自分の作り話...