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1354話

「彼は岳梓童にだけ洒家を憐れんでほしいと言うが、では誰が本宫を憐れんでくれるというのだろうか?」

洒家を憐れむことなど、岳梓童にとっては朝飯前のことだ。ただ力なく装って、彼の思うままにされればいい。

だが本宫を憐れむのはもっと簡単なこと——岳梓童は床に押し倒され、その長く美しい脚が李という人でなしの肩に担がれた時、すかさず真っ白な指を二本立てて、彼の目の前でひらひらと揺らした。

その仕草を見た途端、頭の中が虫でいっぱいだった李南方は急に興が冷めた。

彼は十分わかっていた。岳梓童がこの仕草をするたびに、頭が痛くなるのだ。

誰でも頭が痛くなれば、あの行為への興味はほぼ一直線に下がるものだ。

も...