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1352話

李南方と二人の帰路は、非常にゆっくりとしたものだった。

名所旧跡に出会うたびに、一日や二日と足を止め、記念写真を撮る。

二人は京に戻ることを少しも急がず、まるでこの旅が山水を巡る観光のためだけにあるかのようだった。

美貌と知性を兼ね備えた岳美女と朝な夕な共に過ごせるなら、どんな男でもこの道がいつまでも続けばいいと願うだろう。

李南方もそう感じていた。

もっとも、耳がいつも真っ赤に腫れ上がっていなければ、ペンチでねじられたような痛みがなければ、幸福度はさらに高かっただろうが。

「ねえ、私たちこのまま駆け落ちしない?」

泰山の玉皇頂に立ち、金...