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1268話

岳梓童はソファから小さなバッグを取り、中から小さな物を取り出して謝情伤に差し出した。

それは精巧に作られた純銀の耳かきだった。

耳が聞こえにくい時にこれで掃除すれば、良い効果が得られるというものだ。

老謝は顔を赤らめ、怒りを抑えた声で言った。「岳梓童、これは私の耳にロバの毛が生えているとでも皮肉っているのか?」

隣にいた荊紅命の表情は、先ほどのような厳しさはなくなっていた。

彼の口元が持ち上がっているのを見ると、笑いを必死に抑えているようだった。

古くからの親友が窮地に立たされているとき、いつも苦楽を共にしてきた彼らなら、岳梓童に対して共に怒りの目を向けるべきではないか?

なぜ荊紅命はこんな風...