Read with BonusRead with Bonus

123話

「京華七星会所」は創立十余年来、他の会所が仰ぎ見るほどの高みに君臨し続けている。

会所のオーナーは花姓、花夜神と言う。奇妙な名前の、奇妙な女性だ。

女性の名前に「神」の字が入るのは珍しく、その人を見ずに名前だけを聞けば、魔女のような怪物を想像してしまうだろう。

彼女が奇妙だと言われるのは、誰も彼女の素性を知らないからだ。バックに誰がいるのか、結婚歴があるのかも不明で、ただ十数年前に会所が創設された時から、彼女がオーナーだったということだけが知られている。

京華のような金持ちの道楽息子が犬より多い街で、一人の女性が足場を固め、七星会所を常に業界の最先端に立たせることが、何の妨害も受けずに...